「ザ・サーフィング・ライフ」の舞台となったのは、ニューヨーク州ロングアイランド東端のモントークです。
静かな漁村に90年代以降、都会の若者が訪れるようになります。子供の頃から何度もモントーク訪れており、
特別な感情を持っているデウィックは、自由で享楽的なサーファーたちのライフスタイルが変化していく過程を
ドキュメントしていきます。長年かけて撮影された現地の若く美しいサーファーたちの生き方は、アメリカ人が
理想とする古きよきアメリカン・ドリームの世界そのものです。まるでブルース・ウェバーの名作「オー・リオ・デ・ジャネイロ」
のモントーク版のような感じすらします。 実際二人は友人で、モントークのウェバーの別荘でともに過ごすこともあるそうです。
また、二人のオリジナル・プリントを製作するプリンターも偶然にも同じ人物だそうです。米国のコレクターやギャラリーは、
早くもデウィックをウェバーの世界観を受け継ぐ次世代写真家として大きな期待を寄せています。モントークでのサーファーたちの
アメリカン・ライフに憧れるのは、決してアメリカ人だけではありません。ましてやサーファーだけでもありません。
この古きよきアメリカン・ドリームには、日本人の心を捉えて離さない郷愁や自由な美があります。
初めて見る風景や人たちなのに懐かしさを感じるのは、私たちの心の琴線に触れる魅力が写真に満ちあふれているからだと思います。
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